私の良く買い物に行くスポットのひとつに、イオンショッピングモール香椎浜(福岡市東区)があります。
まぁ…いわゆる郊外型ショッピングモールなのですが、九州でも、九州イオングループやゆめタウンなどの出店が続いています。
しかし…香椎浜イオンの開業の影響かはわかりませんが、香椎浜イオンから約500mくらいの位置にあったダイエー香椎店が今年の10月31日を以って閉店しました。
…在りし日のダイエー香椎店。
私の予想では、ダイエー香椎店閉鎖の理由は区画整理だと思ってたんですけどね…その跡地にヤマダ電機が出店してきたのでねぇ…やっぱりイオンの影響なのかな、と。
ダイエー香椎店は言ってみれば、地元密着型のスーパーでした。
なぜ大型ショッピングモールの出店で地元スーパーが影響を受けるのか??
そんなことを考えている最中、きのうのクローズアップ現代でこの話題を取り扱っていました。番組の中ではイオン水戸店を例に挙げていましたが、これを九州に当てはめてみたらどうなるか、ということを今日はやってみようかな、と。
…『オマエのアタマの整理に付き合わせるんかいっ!!』というツッコミ…ごもっとも。
きのうのクローズアップ現代の内容を軽くまとめると…
Q.『なぜ郊外型ショッピングモールが、地元密着型スーパーの客を奪うのか』
…A.商圏の違い。地元スーパーの商圏が半径2Kmであるのに対し、モールの商圏はクルマで30分の範囲。
Q.『大型ショッピングモールが近年さかんに出店している理由は何か』
…A.答えは3つ。
@大規模小売店舗法の廃止
A工場閉鎖などに伴い、大規模な土地が余っていること
B不動産投資ファンドで資金調達が容易になったこと
イオン香椎浜とダイエー香椎店のある香椎地区はURの公団住宅が多い地域で、ダイエー香椎店の客の中心は公団住宅の住民なのです。しかし、イオン香椎浜はより公団住宅に近い位置に建設されたため、まず公団住宅の住民がイオンに流れたことが予想されます。
さらに、福岡市東区は基本的にはクルマ社会。
ダイエー香椎店は国道3号線沿い、イオン香椎浜は海岸通といって、福岡都市高速の香椎浜ランプがすぐ近くにあるような立地になっています。
国道3号線はけっこう渋滞が激しい道路。
それに対して海岸通はさほど渋滞もしないし、さらにイオンの駐車場はダイエーの駐車場と比較して規模が違いすぎる…あの駐車場は、満車になることがあるのだろうか??と疑問に思うくらい。
つまり、クルマで来る客にとってもダイエー香椎店よりもイオン香椎浜のほうが魅力的だったのです。
そして…イオン香椎浜とダイエー香椎店の決定的な違い。それはテナントの違い。
イオンはジャスコを中心に、専門店街にはファッションやインテリア、さらにトイザらスやレストラン街やスタバ・タリーズなど、ちょっとした街がイオンの中に展開されています。
これと比較するとダイエーのテナントはやはり物足りない。
イオン香椎浜は、その中で1日じゅう時間を潰すコトだって可能だと思います。
香椎の公団住宅はイオンの商圏にもダイエーの商圏にも含まれます。しかし、どちらの店にも行ける場合、「品揃えのいいほう」とか、「安いほう」とか、「買い物しやすいほう」とか…自分なりの基準で店を選ぶことになると思うのですが、現在の状況(ダイエー閉鎖)を考えると、香椎の公団住宅の住民にとってはイオンが魅力的だったのでしょう。
こういう話は福岡に限ったことではありません。
イオン出店で地元スーパーが大反対した、という事例で思いつくのは『イオン宮崎』です。
『宮崎』というのは…何度も言っていますが、観光地としては最高だけど、住むにはちょっと不便、という街。
宮崎の中心街は、宮崎駅から約500mくらいの場所にある、橘通りとよばれる一帯。
山形屋宮崎店を中心に、ボンベルタ橘・カリーノ宮崎くらいを核として、あとは小さな店が集まっている、という感じです。
そんな宮崎に、イオン宮崎が出店してきました。
イオン宮崎は福岡Yahoo!JAPANドームの2.7倍の敷地を有し、香椎浜と同様、非常に広大な駐車場を持ち、さらに橘通りよりも特に若者にとって魅力的なテナントが専門店街に入居してきました。大半は宮崎初出店のテナントだったとか。
イオン宮崎は橘通りとは宮崎駅をはさんで逆の位置にあり、アクセス手段はクルマ以外だと宮崎駅や宮交シティ(バスセンター)からの直行バスくらいのもの。しかし、日曜日になるとイオン宮崎周辺は渋滞し、直行バスは大盛況、という有様です…。
イオンに客を取られた橘通りは非常に苦戦を強いられている模様。
イオンに向かう客は橘通りとは逆の方向に向かうことになるので、イオンに行く途中に立ち寄る、ということもありえません。
宮崎市内出身の友達に聞いても、『とりあえずイオンに行く』と言ってるので…。
特に若者はイオンに行く人が多いらしい。橘通りでは買えないような物がイオンでなら買える、というのが主な理由だそうです。
橘通り商店街にできること…
それはターゲットとなる客層を絞ること。
現在、山形屋宮崎店は中高年の女性向けの品揃えにシフトしつつあるそうです。
しかし、橘通りの小さな商店の中にはやはり閉店を余儀なくされるものもあったようです。そのような例がいくつも見られたことから、全国的に大型ショッピングモールの出店規制を求める声が高まってきているようです。
かつては『大規模小売店舗法』によって、大型店舗の面積や営業時間に規制をかけることで小型の商店を保護してきたのですが、5年前にこの法律は廃止され、言ってみれば自由競争に任せるようになったのです。
この法律がなくなって以来、イオンは開店ラッシュが続いているのです。
さらに、資金調達の手段として不動産投資ファンドを利用するので、開業に関わる費用はあまり大きくないのです。
不動産投資ファンドとは…簡単に説明すると、ショッピングモール建設にかかる費用を一般の投資家からファンドを販売するカタチで募集し、イオン側はファンドを販売する会社に家賃を支払う形態になります。その家賃から投資家には配当が行われるため、投資家にとっては株券購入とさほど変わらないです。
ショッピングモールは安定的な家賃収入が得られる、ということもあり、不動産投資ファンド会社としてショッピングモールへの投資はローリスクなので好まれるのです。
このような背景もあり、イオンなどの大型モールは成長を続けているのです。
もちろんその影で地元密着型スーパーは憂き目にあっているのも事実…。
福島県は条例で大規模モール出店を規制する、ということを検討しているそうです。
…以上を踏まえて、イオンのような大規模モールの功罪を考えてみます。
まず…地元密着型スーパーが苦戦しているのは果たして大規模モールだけの責任なのでしょうか??
確かに大規模モール出店によって客の流れが変わるのは事実です。
しかし、客が流れるのなら奪い返す努力をすべきなのであって、それをただ手をこまねいて嘆いてるだけの経営者は失格ですよねぇ…。
まして、福島県のように、一度規制緩和したものをもう一度規制しようという考え方は完全にどうかしてるとしか思えません…。
そもそも…「法律(ルール)を整備する」ことによって「経営上の問題が解決する」という考え方は、個人的には違うんじゃないか、と思うんです。
会計学でも同じような議論があって…経営上の不正をなくすのは「会計制度の責任」なのか、「経営者・監査役の責任」なのか??という議論なのですが、常識的に考えたら後者ですよねぇ、なのに前者の意見が根強く残っているんですよ。
「ルール」というのは、「市場原理がうまく働く」ように手助けすることが重要で、市場原理が阻害されるような不正な独占とか価格規制とかを禁止するのが本来の目的だと思うのです。しかし、福島県がやろうとしている規制は「小規模店舗の保護」と「大規模店舗の迫害」を促進するわけで、これは「市場原理の阻害」につながることになるでしょう。
民間同士の小売業の競争を政府が規制する、というは政府権力の間違った使い方だと思うのです。民間の力だけでは商売にならない部門について補助するようなルールであれば正しいと思うのです、しかし、この場合は全然違いますよね。
規制緩和はイオングループにとって追い風になったことは間違いないのですが、それを単純に地元密着型スーパーの向かい風になったと捉えるのは被害妄想に過ぎないのではないかな、と。「敵にとっての追い風」=「自分にとっての向かい風」という発想が福島県の「大規模店舗規制」みたいな発想を生んだのでしょう。
違う…。
ピンチはチャンス、なのです…少なくとも経営の世界では。
イオンとは違う着眼点で経営する、とか…イオンでは満たしきれない要求を満たすような経営とか…生き残りの道はどこかにあるはずなのです。それを模索するのが経営者の責務のはずで…ただイオンを僻むようにして反対しているようではダメだと思うんです。
…私は何に怒っているんだろう??
民間の企業が「弱者保護」を訴えるのがおかしい、ということを言いたいのです。
だって、自分が店を営みたいから経営をしているはずなのに…イヤなら辞めればいいのに…なぜ法律で自分のことを守ってほしいとか言えるんだろう??と思っているもので。
人権を守るのとはワケがちがうのです。だって、商人は自分でやるかやめるか決められるんだから。
…自分の立場や権利ばかり主張するのは絶対に間違っている、と。
ましてそれを政府が手助けするなんて…ありえない話です!!
なんとなくこういうことに対して不満に思っていたので、とりあえず自分の意見を主張してみたのでした。完全に自己満足ですけどね。
ま、商業・経営関係のレポートで題材に困ったら…誰かこの題材で調査して詳しく教えて欲しいですね。
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僕も、東京(大学)、福岡(高校まで)、鹿児島(親父が単身赴任)と縁があり、様々な記事を楽しく拝見させていただきました。これからも、チェックさせてもらいます!
では、突然すみませんでした。
イさんのブログの記事も読ませていただきました。8年くらい前に香椎浜の代ゼミ寮に夏休みだけショートステイした時、香椎にダイエーが2軒あるのを見て「なんで…?」って思った記憶がありますが、まさか両方ともなくなるとは予想だにしなかったですね…。イオン恐るべし。
自分の記事もかなり独断と偏見に支配されているので、情報の信憑性はかなり怪しいかもしれませんが、長い記事を最後まで読んでいただきましてありがとうございます。
ブログ全体としては散漫な内容なのですが、もしまた興味を持っていただけるような内容の記事がありましたら楽しんでいただけると幸いです。
そでれは。